SSブログ

安倍元総理の国葬について再び考える。 [随想随筆]

【テロで亡くなった総理大臣と政治家が取り仕切る国葬について】
安倍元総理個人に対して何ら批評・批判するものでもない。ただ今回の国葬の行事に関して日本を取り仕切る政治家たちの愚劣さを感じて杞憂するのである。
国葬の決定は国会で討議される訳でもなく国民の意見を聞くわけでもなく、時の首相が勝手に決めたというところに第一の問題がある。
国葬と云えば、過去に近いところでは「吉田茂」があり大戦中には「山本五十六」があり、どれもが国民の総意を諮るものではなかったが、国家への貢献という意味で推し進められた。(山本五十六の場合は軍神として国民の戦意高揚のための利用でもあったが…)
今回、国会にもかけずに独断即決した裏には、話によれば麻生元首相の差し金でもあった様だが、いずれにしても自民党内での政権を固持するための方策でもあった。人の死をも政治の道具にするこの国の為政者の浅はかさを痛感するが、私が感じたものはもっと根深い絶望感でもあった。
国葬という大事な行事を゛民意を諮らず、国会にも懸けず”独断で行うことは民主国家として間違いだが、その間違いに気づいたなら手順を改める事も民主主義国家の英断だと思っていたのだが、やり直しを恥じて後戻りしない見栄と体裁の国家主権に器量の浅さを見た。そして極端に思うかも知れないが、私はそこに有事の際に国家の名のもとに行う偽りの独断専行を感じた。
あれほど苦い経験をしてきた前の戦争をすっかり忘れて、愚かな為政者に操られるこの国の良民たちに悲しい思いがした。安倍元総理が心ある人ならば、決してこの国葬を快しとは思わないだろう。迷惑だとも思っているかも知れない。
☆☆☆

以上は過去にアップした記事の一部である。物議をかもした「国葬」が行われてしばらくの時間が経ったが、今回の行事がこのような経緯で執り行われたという事を忘れてはいけないと思う。

2023年4月の今日、あれほど日本中を揺るがせた「安倍元総理の国葬と統一教会の問題」はもう語られることは無くなった。政界がらみの旧統一教会問題は続いていたが、国葬の問題は過ぎた事として忘れ去られたかの様だ。
(※ちなみに、公職選挙法違反の罪は不起訴となって追及出来なくなり依って一連の捜査は終結した、という事になった。これは早くこの問題を国民の意識から忘れさせたい為の方策でしょう?)
しかし忘れてはいけない。最大派閥を持った総理大臣がそのために「神格化して国葬に祭られる」という前例をつくったとして今後の日本に影響を与える重大な事件だと云えるだろう。

総理を殺害した加害者は真相の分からないままに拘留されている。問題が旧統一教会に絞られて、事件の根源は旧統一教会の在り方に集約されてしまった感がある。果たしてそうだろうか?
いつの時代もこの様な国家的な問題は臭いものに蓋をしてしまうのが常套である。殺害された首相の汚点を突いている訳ではない。そんな事よりも肝心なのは、いち権力者が簡単に「国葬」という個人の神格化さえ出来る手段を決定できるこの国の危うさなのである。いったん戦争が起これば、こういった英雄作りは作為的に起こる。だから平時にそう簡単に出来ないよう注意しなければならないのだ。

cut-B03.jpg

 
cut-B02.jpg

2023年3月に改めて国会ではコロナ禍で施行された「安倍のマスク」問題が討議されている。国民から集められた税金で500億円もの費用を賄ったことの是非が問われている。
国葬までしてしまった人の政治家としての行いを今頃とやかく云うのはおかしいと思うが、それこそがこの国の愚かな政治家たちの政権を乱用する行いを象徴している様に思う。

いつかまた、国を挙げて「国葬」という問題が浮上してきたときに、国民は今回起こった事を検証して取り掛からなければ、またもや同じような過ちを犯すことになるだろう。

☆<いつかまた…続く>

nice!(10)  コメント(2) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 10

コメント 2

青山実花

扶侶夢さんの仰りたい事、
分かる気がします。
私もこの件に関しては、
言いたい事は山のようにあります。
会社の上司と私は、
考えが同じなので、
オフィスで2人だけになると、
今でも、この話題で大盛り上がりです。
ちょっと人には聞かせられない口汚なさです(笑)。
by 青山実花 (2023-04-11 07:38) 

扶侶夢

>青山実花さん、ご来訪&コメント有難うございます。
上司と語る国葬問題って、どんなのでしょう…そばで聞いてみたいです。
それにしても、統一教会の問題もうやむやになってしまいそうですね。
by 扶侶夢 (2023-04-11 10:14) 

Facebook コメント

死を食べる-アニマルアイズ