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コロナ禍の現場で思うこと [随想随筆]

つい最近まで保健所でコロナに関わる仕事をしていた。厚労省の送って来る県のデータ取りまとめ、市の医療従事者との連携そして市民のコロナに関する問い合わせ対応などなど…保健所はある意味でコロナ関連業務の範囲や仕事量の最も多い現場の様な気もした。
どの様な仕事現場も同じかも知れないが、外側で眺めている一般人の理解と現場で働いているプロの従事者の現実には大きな乖離があって、マスコミも含めてSNSなどで交わされる外部の評論には現実を知らずまたは曲解した無責任極まるものが多いものだ。国家規模の騒動になると善良だったはずの一般市民が支離滅裂になって心ならずも最悪の流布を撒き散らす要因になることも多々ある。たぶん戦時状況に巻き込まれたかつての時代もそんな状態だったのだろうと推測する。正しく判断してきちんとした選択をするには、情報に流されず自分を律する気持ちが無ければ、ただ誤解と混乱を生む加担者になるだけだという事を知るべきだろう。

保健所での私の主たる仕事は、海外からの帰国者の約二週間の待機期間中、健康観察として毎日聞き取りを行うのだがこれがそれほど簡単でも無い。電話での聞き取りとLINEによる自主連絡の二種類があるのだが、電話の場合はなかなか相手が出なかったり、すっぽかされたりして全てが順調にはいかない。
現実にこういった仕事をしていて分かるのは、この国のリーダーシップも頼りないものだが、それを批判する一般市民の中にも物事に混乱を起こすいい加減な人も多いという事である。そんな人たちは他人を批判したり流言を吹聴したりはしっかりやっていて、高みの見物をしながら具体的な解決策にはことごとくイチャモンをつけるようだ。担当する帰国者の健康観察にしても指導通り素直に対応してくれる人ばかりでなく、全く無視して万一自分が陽性だったら周囲にどんな被害を与えるのか考えていない人も多い。

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コロナの蔓延を防ぐという仕事をしていて、改めてこの自由な民主主義国家の元で人権に気遣いながら世の中の統制を取ってゆくというのは難しい…というかほぼ不可能と思えた。時には個人の自由を奪ってウィルスの拡がりを阻止しようと、権威に与する自分を発見して不思議な違和感を感じる事もあった。あまりナイーブな気持ちを持っていては物事を推進する事は出来ないものなのだ。
良いか悪いかの判断を考えている間は物事は解決しない。実はそれはただの迷いであり時間の浪費とも云えるのである。緊急事態の場合でもこういったモラトリアムで責任逃れをしている人は多いものだ。そんな人たちを相手にリーダーシップを発揮せよと言われる見識ある立場の人たちは、いつの時代も “悩める指導者”と言えるだろう。そしてそういった真に正しい指導者は結局ごく僅かの人たちにしか影響を与えられないものなのだ。

ワクチン接種や変異ウィルスの登場でさらに混乱が予想されるコロナの状勢だが、いずれ落ち着いた時に世の中がどういった形になって何を残しているのか…今は想像もできない。

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シニア向け絵本に取り組む [制作日記]

忘備録という意味も込めてコミットメント(声明)を出しておこうと思う。
これまで何度も宣言しては日々の生業に忙殺されて…気がついたら外れた道を歩んでいたという事が多かった。意志が弱いというよりは “忘れ易い、気が散漫”と言った方が適切かな?
兎に角こんな事ではいけないと思って、朝令暮改かも知れないが宣言をしておきたいと思う。…いやはや (^^;ゞ

切株に坐るおじさん.jpg

「高齢者向け絵本」というテーマを掲げて取り組もうと考えている。自分なりに高齢者に対しての柔らかいメッセージの様なものをイメージしている。制作物を発表するとき「どういった立ち位置で作っているか」がポイントになってくる。上から目線とかパラサイト・スタンスといったものは自分でも気づかないところからにじみ出てくるので注意したい。
そもそも何故高齢者向けの絵本を発想したのかといえば実に単純で、私がストレートに表現できるのは高齢者に対してだと思ったからなのだ。絵本といえば子供を相手に読み聞かせや教育的意図を持ったものが思い浮かぶが、私は自分が子供と同じ目線で子供と共有する意図を持つのには無理があると感じたからで、そこに何らかのミッションを感じる事がなかったのも事実だ。

結局私にとっての「絵本」というのは、私自身のために描いているというのが紛れもない事実だ。私が見つけた人生のコアを言葉に出来ない何かで表現する手段…それが高齢者向け絵本という形を取っているのだろう。そんな気がする。
コロナ禍の登場で世の中の何かが変わりつつある今日、自称「人生絵本表現作家」の私が改めて自分の取り組む対象を高齢者に絞ったことは新しい時代の幕開けの様に思う。

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