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文字に描く~世の中を生きる [制作日記]

世間の言葉に惑わされず、人の言葉にそそのかされず…しかし世の中の流れに沿いながら生きる、そんな生き方が心情である。

文豪・夏目漱石の有名な言葉がある「智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ、兎角この世は生きにくい」明治の時代から世の中というものは変わらないらしい。世に逆らうのか、それとも世の中と仲良くくっついて生きるのか…迷うところらしい。
その時代その時代で生き方は変わると思う。どれが正しいというものでもない。世の中も対人間関係も上手に距離を保って生きるのが良いのかも知れない。そういう意味ではコロナ禍によってソーシャル・ディスタンスを知る機会を得たことは人間社会に一歩進歩を与えたのかも知れない。

世に流されず沿って流れる.jpg

自分自身を見失わず、しかし時には自分自身を投げ打って生きることも必要だ。生きることにしがみ付いていると大切な命を失う事もある。そんなものだ、人の一生なんてものは…。
私は少なくとも三度は死にかけた事があり、一度は臨死体験までした覚えがある。その経験の中から言えることは、私たちは「ただ夢中に生きている」という事だ。
もし既に死んでいたなら、今の生きているという感覚は無い。死んでしまえばそれでお仕舞い。そう考えると不思議だ。PCの中のデータの様なもので、呼び出して再生されなければ “無いが如し” である。
(ところでPCのデータって人間にのみ知覚出来る、単なるバーチャルな存在であって結局は電子記号に過ぎないのだけれど、いずれ消えてゆく事を考えると “生命の存在” と似ていますね)

高齢者になった今こそ思うのだが、最高に幸福な生き方と云うのは…若い時代は世の中に沿って精一杯欲張って生きて、歳をとれば「世の無常」を知って生きることではないだろうか。

 

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いっぷく

浄土真宗が、阿弥陀如来の他力本願といって、仏教としては珍しく「自力」修行を否定しているのですが、その理由は、人間の価値判断で物事を認識する限り、善悪とか正誤とか大小とか、そこに黒白や優劣をつけて判断せざるを得ず、それではどうしても自分の価値観から離れることができず、物事の本質は見えてこないからだというものです。なるほどなと思いましたね。夏目漱石は大谷派の門徒ですが、秘蔵っ子の芥川龍之介の作品が、なるほど阿弥陀如来の本願力と、清らかでない衆生の心をよく表現しているなと思いました。
by いっぷく (2023-12-10 03:01) 

扶侶夢

>いっぷくさん、ご来訪&コメント有難うございます。
優しく分かり易い説明を有難うございます。こういった補足説明をしていただけるのは有難いです。^^)
by 扶侶夢 (2023-12-10 03:27) 

U3

沿って流れるのは無理で、大概は本流から外れれば、そこは淀み停滞します。
だとしたら私は敢えて、<流れに逆らう>ことを選ぶでしょう。
たとえそれが困難な流れ(道)であっても。
by U3 (2023-12-20 14:48) 

扶侶夢

>U3 さん、ご来訪&率直なご意見有難うございます。
私も沿って流れられない不器用な奴でした。その結果が今日の自分だと思っています(苦笑)…後悔はしてませんけど、ネ。

by 扶侶夢 (2023-12-20 17:25) 

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