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私流の新機軸を模索する [◎ネガティブ・ケイパビリティ]

私は現在68歳である。最近まで就いていた仕事を一旦辞めて少し息抜きをしながら、これからの行く末を見定めてみようかと思っている。これまでの人生で何度でも立ち止まって来たが、今回はもしかすると最終局面かも知れないと思う。ある意味で「終活」の一端ともいえるだろう。この先の生き方をこれまで否定的に捉えて来たかも知れない側面も受け入れて、つまり固定観念から離れた視点で捉え直したいと思っている。ちょっとオーバーに言えば「生き直しのための新しい基軸」を探ってみようと思っている。

“新しい基軸”とは言ってみればこれまで受け入れて来なかった価値観や生き方の事である。これまでネガティブに捉えていた事柄を、見方を変えてポジティブに置き換えてみる。というよりも、ネガティブという感覚を積極的に受け入れる感覚に変換してみると言った方が正しいだろうか。ネガティブを日本語に訳せば「否定的」という意味になるが、否定的とは肯定しないと云うだけで “拒否したり排除したりする意味ではない”のである。詭弁のように聞こえるかも知れないが “ネガティブである事実の存在を受け入れる”という理解があっても良いのではないだろうか。
生き直しをするという事は決して合理的ではない。これまで積み重ねてきたものの上にさらに重ねてゆく方が、一から出直すよりも効率が良く合理的なのは分かっている。だからほとんどの人が基礎を打ち壊して新しく進む様にみせかけていても、実のところは前例のある安全策を変える事はないのである。歴史の偶然が革新を起こす事はあっても人為が革新を起こす事はない様に思える。人間とはその様には出来ていないからであり、それがユートピア待望が幻想といわれる所以である。ならば何を期待して何を願って未来に向かおうと考えるのか…。全ての希望が現実の前では幻想である事を認めた上で何に対してモチベーションを高めてゆくのか。新機軸の模索とはそういう事なのだと思う。

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人にはまだまだ開発されていない能力があり、それが現実の世界を推進させる様に思える。その能力の一端はものを創造する以外にも、別の視点から世界を構築し直すという発想の部分でもある。否定も肯定もひとつに溶け合わさった感性が新しい「知」の世界を発見するだろう。

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U3

 私の定年後の人生は、『好きな文章書きに専念する』を、目下遂行実施中です。基本ポジティブですが、嫌なことにも正面から向き合うという姿勢は崩したことがありません。
 それに元々ポジティブであるがゆえに、時折『軽佻浮薄』になりがちな自分を戒めながら、毎日を過ごしております。
 終活は五年後に始めようと思っています。
 私事ですが、記事更新しました。相変わらず長文です。
by U3 (2021-10-09 12:02) 

青の風画

全く同感です。
価値観を変えていくことができる能力、
まあー常識から逸脱できる力なんでしょうね。
by 青の風画 (2021-10-11 23:42) 

扶侶夢

>u3 さん、青の風画さん、ご来訪&コメント有難うございます。

嫌なことにも正面から向き合うという姿勢、大切です。これを保っている人には自信というオーラが窺えますね。

価値観を変える、常識から逸脱する…言葉では簡単に言えますが現実はなかなか難しいです。基本的には人間はその様には出来ていないものだから、例えて言えば、成層圏から飛び出す様なものですね。いかに自分自身の反発から飛び抜けるか…。
by 扶侶夢 (2021-10-20 19:08) 

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