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考察還暦世代 [人生描画譚]

 

様々な視点から、「還暦」という節目には大切な意味が含まれているように見える。

12年のサイクルを5周回して60歳にたどり着いたところで、ひとつの人生に区切りを打つ。何とも綺麗な節目のように思える。

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人も60年も生きていれば、そろそろこの世の真髄を悟り始める頃で、もうこれ以上のものは無い事も分かってくる頃なのだろう。

生まれたばかりの頃は全てが新鮮で好奇に満ちているが、社会という枠の中で生きている内に人間の宿命のようなものに束縛されている事を発見してしまう。
若い頃は未来に多くの可能性を感じて胸躍らせて日々を生きたりもするが、ここまで来るとそれらの殆どが幻想であることを悟り、改めた世界観に目を向けるようになる。

         ☆

数々の人生経験を積み重ね還暦を経た人の、これからの指針はどこに向かっているのだろうか?
何のために、誰のために、何を達成しようとしているのだろうか?

総括には早すぎる熟年世代とは違って、老熟を向かえた還暦世代は様々な反省を基に自身にとっての未来を再スタートさせるべき世代だと思っている。 

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マスコミなどで語られている「元気な世代」として捉える事には疑問がある。何となく全体的政策的な意図を感じてしまって…。
それよりも私は還暦の意味を理解してその先の生き方を模索する、そんな実験的な人生を探究出来る世代として捉えてみたい。

元気な若い時代は真の意味で“探究”などという事は出来ない。
実験は出来るかも知れないが、世の流れに逆らって、世の中の価値観からズレた生き方を試みる者は少なく、
仮に試みたとしても殆どの場合そこに良い結果は待っていなくて、マイノリティの存在を実感する結果にとどまる。

ある意味で現役の社会からリタイアをしたという事は社会通念に縛られずそれらを超えたところに棲み処を構えられる世代になったという意味でもある。
生まれてきた赤子のように固定観念や偏見を知らず、社会性というリスクも軽くして自身の憧れに率直に生きる。そんな「生命の喜び」のような生き方を模索してみる最後の機会かも知れない。

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移りゆく時に身をまかせ

我が心根は手放さず

夕陽は沈み朝日が昇り

その悠久にさすらわん 

 



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