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漫描雑譚/鉄人アトムの話 [ギャラリー]

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雑誌『少年』で連載を始める前の予告ではタイトルが「鉄人アトム」という構想だったんですね。連載スタートは昭和27年でしたが、実はその一年前に「アトム大使」というタイトルで連載をしていてロボットのアトムはわき役で登場していたのが始まりです。

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元々は手塚治虫の鉄腕アトムに対する思い入れはそれほどでも無くってTVアニメ化する時も「ジャングル大帝」レオの方がやりたかったらしいです。アトムにはもっと社会批判やメッセージ性を込めたかったけれど、アイドル的なキャラクターとして別モノになってしまった事が意欲を衰えさせたようです。何かの対談で“ワースト作品”として鉄腕アトムを挙げていたのを読んだ覚えがあります。
当初はアトムを地球人と宇宙人との橋渡し的な大使にしたかったものが、いつの間にか愛されるキャラクターとして地球を守る“正義の力”的存在になっていった事は不本意だったのでしょう。


昨今のスピンオフ-ブームに乗って「アトム ザ・ビギニング」が登場しました。とても面白い発想として評価は出来ますが、ある意味で本来の鉄腕アトムのコンセプトとは大きく変わってゆくでしょう。こうやって歴史というものは変色してゆくのでしょうね。
これまでも様々な名作と言われる作品群がそれ以後の時代の評価によって作者のモチーフとは別解釈されて伝わっていきましたが、それこそが時代を越えて生き続けてゆく“名作の宿命”なのでしょう。


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いっぷく

天才バカボンの最初のアニメも、今のドラえもんも、原作とアニメは全く別物ですね。
どちらも本当は、もっと毒があったんですけどね。
by いっぷく (2017-09-06 23:41) 

扶侶夢

>いっぷくさん、ご来訪&コメント有難うございます。
思えば、童話とかお伽話にしてもシニカルだったり毒気があったりしてますね。精神性は過去の子ども向けの方が高かったのかも知れません。何が変わってきたのでしょうね?
by 扶侶夢 (2017-09-07 21:15) 

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