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ピアスゲームの思い出 [タイムスリップ忘備録]

【ピアスゲームの思い出】

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<ピアスゲーム> 昭和30年代初めに流行した携帯サイズのテーブルゲーム。プラスチックの丸い容器に穴が空いていて、そのままゲームの盤になる。代表的なものはダイヤモンドゲームと呼ばれるもので、10個のピンを自分の陣地から対極の陣地に早く移動させ終えた方が勝ちというものすごく単純なルールのゲーム。

 子供の頃の体験というのは兄弟との関係で色々変わって来るものだが、私の場合、上に歳のかなり離れた姉がいたために、その影響はいたるところにあった。外では同年代の男友達と遊ぶのだが、家に帰って来ると姉が遊び相手のために遊びの道具から根本的に違っていた。「少女」や「りぼん」といった女性雑誌の付録とか、「平凡」「明星」などの芸能雑誌に付いている歌本などがたくさんあった。

 正月の遊びとなると、凧上げやコマ回しもするが、羽根つきやコタツを囲んでのミカン釣りなども定番だった。しかしよく周りを見てみると、連れの男友達でそんな遊びをやっている者は珍しかった。

 

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▲盤面が木造りのハイグレード版


 ピアスゲームというのはそんな我が家の遊び道具のひとつだった。囲碁や将棋と違って、そのプラスチックで出来たゲーム盤は何だか都会的な香りがして大人っぽい気分を感じさせた。木造の貧相な借家で幼年期を暮していた私だが、今にして思えば感性を育む様々な環境は周りにいっぱいあって、ピアスゲームは共に暮した姉との無邪気で暖かだった日常をあぶり出す、記憶の中の団らんでもある。 

 

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▲ダイヤモンドゲームにはピアス形状以外にもボード形式の普及版があった。

 

<ご注意>
このコラムは十五年以上も前に発表した内容をそのまま転載しているため、その後に新事実が発見されたり、また今日では差別的とされる用語や表現があるかも知れません。『タイムスリップ』の趣旨としてそのままの形でアップしておりますので、その点はご了承下さい。

 


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