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忍者部隊「月光」の思い出 [タイムスリップ忘備録]

【忍者部隊「月光」の思い出】

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<忍者部隊「月光」> 昭和39年頃、フジTV系で放映された人気ヒーロー番組。原作は「少年キング」連載のマンガで太平洋戦争中の日本軍諜報部隊の物語だが、何故かTVでは時代背景は曖昧なものになっていた。 

 数年前に007シリーズが登場して、世はまさにスパイ活劇ブーム。子ども達の間ではアメリカ輸入の「ナポレオン・ソロ」や“アストンマーチンに対抗して車を空中に飛ばした(苦笑)”TV映画「スパイキャッチャーJ3」(川津祐介・主演)などスパイ物が氾濫して、その後その流れは和製スパイとも言える「忍者ブーム」に移って行った。映画では「忍びの者」、TVでは「隠密剣士」が代表的なものだったが、その中で私が注目していたのが、やや小太りになった往年の二枚目俳優・水木譲演じる「忍者部隊・月光」だった。

  主題歌もなかなかシブくて、デューク・エイセスというコーラスグループの低音を効かせたサビが魅力的だったが、何と言ってもリーダーの月光をはじめとする現代の忍者スタイルが、子供番組のレベルを越えたカッコ良さでとりこになった。

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 テレビでは大人気となって第二部が制作されたり、東映で劇場用映画として公開もされて好調だったが、何故か原作の漫画の方はパッとしないまま終ってしまった。吉田竜夫のこの漫画では、太平洋戦争末期の東南アジアが舞台となっていたように思う。アメリカの戦闘機を爆破したり、米軍のアジトに忍び込んだりという活躍をしていた筈なのだが・・・何故かTVではそんな時代背景とはまったく関係ない現代のどこかの国での諜報活動をしているようだった。それにしては敵方と思えるグループが冠っているヘルメットが、どう見てもドイツ兵のようなデザインだったのも不思議だった。
 当時は、大ヒットのアメリカTV映画「コンバット」の影響もあってか、悪役のヘルメットは「ドイツ型」というのがお約束だったから、悪い奴にはやたらとドイツ軍のヘルメットを被せたものだ。(そう言えばスターウォーズのダースベーダーのヘルメットも何となくドイツっぽいデザインですが、これは日本の兜がヒントになっているらしいです)
 なるほど良く考えてみれば、輸入モノのアメリカ番組ではヒーローがドイツ兵をガンガンやっつけているのに、片や別番組で日本のスパイ・ヒーローがドイツと肩を組んでアメリカ兵をやっつけているなんてやれば、見ている方は何がなんだか分からなくなるものね(笑)やはりテレビ向けには“曖昧なシチュエーション”でやるしかなかったのでしょう。

<ご注意>
このコラムは十五年以上も前に発表した内容をそのまま転載しているため、その後に新事実が発見されたり、また今日では差別的とされる用語や表現があるかも知れません。『タイムスリップ』の趣旨としてそのままの形でアップしておりますので、その点はご了承下さい。

 


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