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シスコーンの思い出 [タイムスリップ忘備録]

【シスコーンの思い出】

シスコーン.jpg

<シスコーンの思い出> 昭和38年頃発売され、今でも健在のご存知シリアル食品。その後、砂糖がけとかチョコ・コーティングとか様々なバリエーションが開発され発展した日本のシリアル食品の先駆け的存在である。

 「♪エンヤカヤカヤカヤ~・・・」の音楽に乗ってテレビCMが放映され、今まで見た事もない食べ物が日本の茶の間に登場した。東京オリンピック開催よりまだ少し前の事である。
 私は雑誌などで既に発売される予定である事は知っていて、ずっと以前から楽しみにしていた。雑誌広告では美味しそうに牛乳のかかっているカラー写真と、可愛らしい『シスコン坊や』のアメリカンなキャラクターが紹介されていて、日本であってどこか日本でないようなアットホームな感じに仕上がっていた。
 テレビのCMは先のリズム音楽に乗ってシスコン坊やと女の子のインディアン(確か『チョコちゃん』という名だったような記憶がある)が踊って登場するのだが、これがまた良く出来た人形アニメでイメージを印象づけるには成功だったと思う。当時、CM人形の傑作は“ミツワ石鹸の女性トリオ”だったが、それにも勝るものだった。私はシスコン坊やの人形が欲しくてたまらなかったものだ。

 シスコーンが食べてみたくてたまらなかったのは、その新しいインパクトと共にもうひとつの訳があった。それはキャッチフレーズの「頭の良くなる朝食」という言葉。どこかの栄養学博士の推薦の言葉があって『朝食をしっかり採れば脳が活性化され、授業にも集中出来て成績が上がる』という、当たり前と言えば当たり前の話なのだが「別にシスコーンでなくとも良いのでは」などというツッコミもなしに受け入れていた。「アメリカの子供達は毎朝こんなものを食べて生活しているのかあ~」と雑誌やテレビに映し出されるアメリカの家庭風景を頭に描きながら、箱を開けて皿に盛り、牛乳・砂糖をかけて“アメリカンな朝食”を体験したものだった。

 

シスコーンposter.jpg


 はっきり言って、当時は美味しいとはとても思えなかった。何となく文化人の朝食のような気がして半ばヤセ我慢気分で食べていたものだが、たまに購入するシスコーンをひと箱完全に食べ切った記憶はついになかった。今でこそ平気で食べているが、実際は当時の日本人の食生活から言えばちょっと無理があったのだろう。

 

<ご注意>
このコラムは十五年以上も前に発表した内容をそのまま転載しているため、その後に新事実が発見されたり、また今日では差別的とされる用語や表現があるかも知れません。『タイムスリップ』の趣旨としてそのままの形でアップしておりますので、その点はご了承下さい。


  【追記】 上記の宣伝ポスターのコピーを見るとスゴイです。 『おいしくって、栄養があって、スタミナがつく』は、まあ良いとして。『美人になれる。アタマがよくなる。アメリカでもヨーロッパでも朝食はほとんどコレ』って断言しちゃってます。今の時代なら完全に“公共広告機構”に引っ掛かっちゃうでしょうね(苦笑)

 


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