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ボーイズライフの思い出 [タイムスリップ忘備録]

【ボーイズライフの思い出】

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<ボーイズライフ> 昭和40年代前半に小学館より発行されていたティーンエイジャー向けの教養娯楽雑誌。「平凡パンチ」や集英社「プレイボーイ」の狭間にあって光を放っている雑誌だった。

 団塊の世代が大学生から高校生くらいの位置を占めていた時代、世の中は高度成長の真っ只中で若者文化全盛期に入っていた。それまでハングリーだった若者達が場とチャンスを与えられた感じで、まさにバイタリティ溢れるエネルギーが充満していた感じだ。ライフスタイルも多様化し始め、職業の選択もかなりバラエティに富んできた。絵画や音楽などアートな世界をめざす者、F-1ドライバーや航空機パイロットをめざす者、そして海外留学をして世界をめざす者などなど。まさしく“百花繚乱”の雰囲気が渦巻いていた時代・・・そんな時代の若者にモチベーションを与えるオピニオンリーダー的存在の雑誌、それが「ボーイズライフ」だった。

 確か、若かりし頃の小田実氏や落合信彦氏などの執筆もあったと記憶している。国会議員となった糸山英太郎氏や『レストラン・ベニハナ』で成功した日系人のロッキー・青木氏そして日本マクドナルドの総帥で孫正義氏のお師匠さんでもある藤田田(でん)氏のサクセス・ストーリーも記憶にある。そしてグラビアには小山ルミやジュディ・オングといった当時のアイドルの、今から見ればそれほど露出度も高くない水着姿だったが、それでも中学一年生だった私には充分刺激的だった(苦笑)。そう言えば後に『ゴルゴ13』で売れっ子作家になる関西の劇画家さいとう・たかお氏がメジャーデビューしたのもこの雑誌だった。『イアン・フレミング原作「007/死ぬのは奴等だ」画=さいとう・たかを』のコピーを目にした時、貸本屋時代からファンだった私は大いに胸躍らせたものだ。

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 その後、青年誌ブームが隆盛期を迎え、マンガ雑誌でも「ヤング・コミック・カスタム」(後の「スピリッツ」)「漫画アクション」などが続々登場して来ると、いつの間にかその役目を果たしたかのように「ボーイズライフ」は姿を消してしまった。私はいつの日かあの「ボーイズライフ」が再評価され、復刻版で再び陽の目を見る事を待ち望んでいる。

 

<ご注意>
このコラムは十五年以上も前に発表した内容をそのまま転載しているため、その後に新事実が発見されたり、また今日では差別的とされる用語や表現があるかも知れません。『タイムスリップ』の趣旨としてそのままの形でアップしておりますので、その点はご了承下さい。

 

【追記】 海外の未知なる文化に憧れ、未来への希望を掲げながら国内の閉塞感を打破しようとアピールし活動してきた筈の若者たちだったが、それがいつの間にやら『天下り』『利権まみれ』『強欲のエセ思想』を習得した醜い大人たちになってしまっていた。それは挫折か敗北か?それとも元々そんな希望なんて本気ではめざしていなかったのだろうか? しかしいずれにしても、誇り高き希望を抱えた“若者のバイブル”のような雑誌が存在した時代だったことは事実である。

 


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