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[覚書]我思う故に我在り/2014 [【アーカイブ】]

◆最初はただ何となく作品づくりのモチベーションを高めるための思考メモとして始めたこのブログも年を重ねるとちょっとした回顧録にもなり…そして書き綴っている内に新しく取り組むテーマを発見するワークブックになったりもする。
◆これまでの思いつきメモの2014年一年間の中からいくつかの雑記をピックアップしてみた。自分自身の“今”を、思考の流れを辿って俯瞰してみるのも何かの発見になるような気がする。



雪の無人駅01.jpg

 

早朝に目覚めたら 雪が降っていた

 

何層もの澄んだ空気の向こう側に

 

じっと列車を待つ 無人駅が浮かんでいた

 

しんしんと雪を肩に受けながら

 

ことこと列車の足音を ひたすら待っていた


………

 

雪の中に 時間が埋まってゆく。 

<2014年2月・記>


冬の停車場.jpg


[私の昭和/「冬の停車場」] 


 


優しさは強さです。


好きなものと生きているときに、人は優しくなれます。


だから貴方の好きなものは、貴方を強くしてくれる大切な命です。



好きなものを好きと言えること


好きなものの傍で一緒に生きること


そんな勇気を持つことが人を優しくしてくれる。 



「好き」って感じは大切です。


そんな感じ…持ってますか? そんな感じで生きてますか?


 


私は淋しい気持ちも 好きです。 


<2014年・3月>



駅花火スケッチ.jpg


未来に向かって期待を持ち続けることは
毅然とした勇気の要ることである。


斜に構えたり、解かったような事を言ってやり過ごすことは
実に月並みなことで、少しも難しいことではない。 



絶望の淵に立って、それでも明日への期待を捨てない生き様
他人から「大ぼら吹き」と言われるような生き方の中にこそ
未来の可能性が発見されるのかも知れない。


無人駅に立って、
夜空に咲く花火を眺めながらそんなことを思い浮かべていた。


 


駅から花火.jpg


<2014年7月・記>



何も逆らう必要はない


だからこうして描いている。


語り尽くしたつもりでも語り尽くせぬこともある。


だからこうして描いている。 


猫とスケッチ.jpg 


何も惑うことはない


だからこうして描いている。



私のはっきりしている事


それは「マイノリティの視点・ダイバーシティー/多様性価値観の視点」 を
自分のスタンスからずらさないこと。


“表現する意識”を見失わず“与えられた天分”を使い切ること。
つまり自分の運命を“生き切ることだと思っている。


居眠りミカン_b.jpg


…自分の運命を生き切る…ってか。
ん~上手いこと言うなぁと自画自賛(笑) 


☆ 


絵本を作ったり、写真を撮ったり
日常を眺めながら制作をすることは
まさに「日々の背中」を眺めながら生きている実感だ。 


diaries.jpg


日記をつける習慣が始まったのは中学一年生の時。
それから長い空白の期間もあったが、
そんな空白の時代も含めて50年近くの間 日記が綴られていた事になる。


 


私にとって興味深いのは、ところどころに描かれている落書きみたいな挿絵。
今の私自身よりもずっと純粋で真摯な視点を感じるものがある。


<2014年8月・記>



つかの間の人生に充実感を持って、自分なりに価値を感じて生きることが幸せな生き方のように思える。 


人は人以外のものにはなれないし、それを外れて生きることも出来ない。
当たり前の事のように思うけれど、では゛人とは何か?”と聞かれてどう答えるだろう? 


トリ01.JPG


私は最近になって「人とは厄介なものだ」と思うようになった。
鳥や獣や自然の景色などを見ていると余計にそう思う。 


人だけが何かを企てねば生きてゆけないような、そんな存在に思えるからだ。


正直のところ少しばかり人間社会には疲れを感じている。
しかし、だからと言ってこの社会を拒否するつもりはない。
社会から逃避したり生きることを放棄することには少しの納得も得られないからだ。 


トリと花瓶01.JPG


結局また再び泰然のワクから飛び出すことになってしまった。
すべて理解し納得していた筈なのに、悟りの姿でじっとしていられない愚かさを背負っている。


分かっているようでいて少しも捉えてはいない。
結局、生来の無頼の魂がさまよい続けて今生の限りを生きる。
…それでいいのだ。(バカボンのパパの境地ですね) 



すべてが為るように為って、在るように在る。
表面だけで見ればただの現象があるだけの事だ。


だからそこに心の存在が問われる。
それは掴むことも出来なければ、確かめることも難しい。
しかし安易に見えないからこそ、求める人にしか確信が得られないものなのだ。 


トリと花瓶02.JPG


日本の文化で育った者はこの国の文化の物差しで生きることが一番〝ブレる事なく”生きれるだろう。
ブレない生き方を選択するのであれば、それが賢明ということかも知れない。 


しかし人はブレる。ブレて生きる。
だからこそバランスが必要と感じるのだろう。


 


<2014年10月・記>



海の見える坂道.jpg


何かを描き残したくて絵に向かっているわけではない。
今の私には、日々を生きている行為として、呼吸をするように絵を描かせているだけの事なのだ。


落書きのような位置づけでとても作品と呼ぶものではないが、それでもひとつひとつ描き下ろしてゆくたびに、何だか゛越えてゆく感覚”を得ることがある。


何を越えてゆくのか知らないが、余分なものを削ぎ落としてゆくのかも知れない。 


覗く猫.jpg


若いころと比べると、本当に「逸る気持ち」が無くなったと感じる。 


…とは言っても、一生懸命な気持ちになって絵を描いたり表現物を創作したりするときもある。
それは何故だか分からないが、切実な気持ちになって「何かを言い伝えたくなる時」


そんなモチーフがまだ自分の中に残っているのかと思うと、それはそれで愉快だなとも思う。 


路地から04.jpg


そして今は、「まだまだ先はあるんだなぁ」という感覚に浸っている。


 


バイクの上の猫.jpg


<2014年10月・記>



猫と私の出会いは、物ごころが付いた頃の幼児期まで遡る。
考えてみれば、生活体験を共有することで私の人間形成の一端を担ってくれていたと言っても過言ではない。

いま改めて猫たちとの一期一会に感謝しながら、彼らとの語らいの中で人生の風景を眺めてみたい。
そこで「ねこ親書」…こんなタイトルをつけてみた。



cats_correction-01.jpg 


人生とは儚く刹那的に見えていて、そのくせなんと重厚で奥深いものなのだろう…
猫を傍らにおいて共に暮らしていると人間世界を別の視点、別の次元から眺める機会を体験する。


絵を描きながら様々な固定観念と対峙し、時にはそれらを乗り越えようと模索していると、ふと自分個人の観念や次元から解放されて自由な魂を得られることがある。
そんな時、私は猫次元の住人になる事があるのだ。


実は、別に猫でなくても良いのだが…
例えば犬でも鳥でも蛇でも良いし、草花や樹木など生命のあるものなら何だって良いのだ。
彼らは自分たちの命をどう認識していのだろうと思う時がある。


猫たちを眺め、時々目線を共有して過ごしていると様々な事にこだわり、呪縛されている人間というものが“苦痛の動物”に見えてくる。
人の社会とはそれなりに素晴らしいものなのだが、それでも完璧ではないし理想ではない。猫の生きている猫社会も不完全ではあるのだが、それでも苛立つこともなく適当に生きている。


机前ミカン.jpg


人が猫を眺めて論じているように、猫からの視点で人との共有世界を論じてみるのも面白い。 


ところで、夏目漱石はどうして猫の視点から人間社会を描くことを発想したのだろうか?
「吾輩は猫である」を思い出してそんなことを考えてみた。確かに猫には他の家畜やペットには無いクールな観察眼が備わっているかも知れない。
ある意味で、人間をより高い次元から俯瞰して眺められる唯一の生き物が猫だとしたら面白い。


人は達観すると猫の境地にゆくのだろうか?犬神様は聞くが猫神様は聞いたことがない。
犬は祀り立て崇められるが猫を崇めることはない。猫はこの日本(大和)では恐れ畏れられる生き物なのに違いない。
古代エジプトなどでは玉座などに座って誇り高い地位を確保しているのに、この国では化け猫だとか九回生き返るだとか、怨霊の象徴のように扱われている。たぶんこれは恐れから来るものなのだろうけれど、何故そんなに畏れられるのだろうか?…今後の私の研究課題のひとつである。


シロチビ-キューブ.jpg 


これからも猫たちとの交流を深めたい。…が、私の場合は世間一般のペット愛好家とは違っているようで実に個人的思い込みと偏見の強い付き合い方なのである。


それは子どもの頃から還暦に至るまで猫たちとは様々なエピソードを共有してきたからなのだろうと思う。
ほとんど猫と一緒の時間を過ごしてきた幼少の頃。学生時代に遭遇した、恐るべし「猫殺しの辰」との闘いの日々。新婚時代の借家にやって来た野良猫。そして12匹の愛猫たちとの個性的な生活…などなど。
こうやって振り返ってみると、やはり私の人生形成に少なからずの影響を与えていることに改めて気がつく。


cats-correction_02.jpg 


 


<2014年12月・記>


 


 


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