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描くという行為 [制作日記]

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般若心経は“言葉に出来ない悟りの世界を言葉で表わしている”らしい。だから普通に言葉で理解しようとしても困難なものなのだろう。

ある種の絵画も同じである。
目に見えない世界を絵に表わそうとしているのだから、それを美の観点やリアリティの視点からでは捉えにくいものである筈だ。ましてや社会的評価は別世界のもので、評価を求めるのならその様な絵を描いていてはいけない。

およそ全ての行為は留まることのないものと心得ている。
絵を描くという行為もまた然り。
これで完成というものは無い。便宜上、一旦筆を置くだけで慢心することなど無いだろう。

どこまでも描き直しを続ける…これが絵を描く道というものだろう。
人生に完成がない様に、絵を描くという行為にも終わりはない。

離島から眺める.jpg

何度も手直しをしては視点を変えて同じテーマを描こうとする。
そんな不器用な生き方も、あったっていいじゃないか。
それが正道だなんて大見栄切って言うつもりはない。
どこかに置き忘れて来た生き方を…
誰もが忘れ去った生き方を…
まだ繰り返している奴がいたっていいんじゃないか?

 


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