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無人駅 [制作日記]

ひっそりと、しかし確かにそこに存在する
名も知られないような無人駅

日々どれだけの人がホームに立つのだろう
いつもベンチは綺麗にされて、夕闇せまれば蛍光灯がともる

無人駅_D.jpg 

隣り町まで買い物に、時代に残された年寄りたちと
朝夕の通学列車に、青春を刻む学生たちが
今日も頼りにしているのだろう

無人駅_E.jpg 

時には淋しげに
時には誇らしげにも見える無人駅だが
本当のところはどうなのだろう?

学生たちや生活者を運んで役目を果たしているその姿は
寡黙な老人の営みの様にも見えてしまう

無人駅_A.jpg 

ひと気も少ない佇まいだけれど暖かい鼓動が聞こえるようだ

この駅に立てば教えてくれる
独りは決して淋しいものではないという事
為すべきことを為すことが
全うするという意味である事を

そうしていつか旅立ちの時がくるのだと…

無人駅_B.jpg 

こんにちは…そしてさようなら
泣いたり笑ったり、色んな顔がこの駅に来るけれど

いつでも無人駅の表情は変わらない
悲しみも喜びも知っているから
無人駅の表情は変わらない

無人駅_C.jpg 

無人駅を描くためにスケッチブックを持って外に出た

駅のホームに立ってみたりベンチに腰掛けてみたり
不思議な落ち着きの空間を駅と共有しながら時間が過ぎていった

無人駅スケッチ.jpg

unmanned_station-B.jpg 

 

<平成27年2月・記> 

 


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