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シンクロニシティ/synchronicity [制作日記]

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「シンクロニシティ」という言葉は心理学者のユングによって生み出された言葉といわれている。偶然といわれる現象によって、一見何の価値も無い出来事や人間が結びついて或る者にとってはそれがインスピレーションや霊感に近い悟り・気づきといった感覚になる。

「シンクロニシティ」は物質世界と精神世界を結びつける架け橋のようなものとも例えられる。科学的に理論的に証明されない現象を“単なる偶然”というふうに片付けるのが社会というものだが、その現象は大地と天界を瞬間時につなぐ雷に似たような現象かも知れない。個体としての存在と森羅万象のメカニズムが一本の糸でつながった時に起こる、偶然と呼ばれる現象。

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下塗りをしながらポイントとなる色で部分的にまとめてゆく。
大体の感じがつかめたら、上からモノトーンで覆ってゆく。
ポイントに選んだ色彩は、隠し味のような感じでにじみ出させる。

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様々な偶然が一枚の絵を仕上げてゆく。溶け合った絵の具や重なり合った色彩が、物事を包み隠したりまた滲み出させたり。選んだモチーフも表現も偶然のようでいて、それは単なる偶然ではない。

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「シンクロニシティ」を理解することと“現象を把握してコントロールすること”とは違う。理解をしたからといって、物事を自分本位に操作できるものではない。“自分の自由にはならない”ということを悟ることが“理解というものの一面”なのだから。

「シンクロニシティ」に触れるということは、私たちが“単なる偶然”として意に介さず思考停止して捨て去ってしまう現象の中に、実は気づきのヒントが隠されているということを理解するためのものなのだ。

“偶然の出会い”とは“一期一会”の始まりである。

<2012年7月1日・記>

 

 

【Synchronicity/The Police】

ある程度世の中を生きていると自分の感知している世界が全てではない事が分かってくる。カルト的な狂信者になってしまっては困るが、自分の把握外の枠を超えた不可知世界の存在に目覚めれば物事の考え方の基準が変わるものだ。これを思考パラダイム変換という。

戦争や飢餓・自然破壊といった世界の抱えている諸問題は歴史・文化・民族の枠組みを超えた次元で基本からやり直しをしなければ少しの解決策も見い出せない。ただこれまでの歴史を繰り返すのみでそれは既得権者に都合のよい世界を作っているだけである。

…そうとは分かっていても、人間の脳は固定観念を飛び越えることが出来ないものだ。
シンクロニシティの科学的利用という発想の解決策を受け入れられずに、既成概念に縛られた見当違いの答えばかりに目を向けている。

☆ 

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