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離島の母 [ギャラリー]

本土から数十キロ離れた離島にその母は暮らしていた。
たいして大きくもない島は二、三時間で周りをひと巡りしてしまう。
時には嵐の中にさらされながらも本土から離れて島は生き続けてきた。

島に生まれたその母は
島で育ち、島で出会い、そして島で恋をした。
家族ができて生まれた子供たちはいつしか大きく育っていった。

子供たちは島の向こうに夢を見ていた。
そしてある日、離島の母に別れを告げて自分の人生を歩んでいった。

本土からはるか離れた島の中で
時には嵐にさらされながらも夫と二人で島に暮らし
その母は八十年の自分の人生を精一杯に生き抜いた。

彼女が戯れ、恋をし、暮らし続けてきた道程の
島の路地裏にある石段は今でも朽ちずに生きている。

ishidan.jpg

<石段をクリックしてください>

☆2012年9月9日/記


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