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終活としての描画作業 [制作日記]

このところ絵を描くことから心が離れていた。全く違う世界で仕事をしていた事もあって、日常の忙しさにかまけて絵を描くという意味を忘れていたようだ。
考えてみれば私の人生の原点は「絵を描くこと」にあったわけで、それから完全に離れてしまっては自身を逸脱したと云っても間違いではないだろう。気持ちを戒める。

私くらいの年齢になると絵を描くことは自分の人生の総括的表現になるようだ。これまでの人生、それぞれの時代時代に応じて当然考え方も変化して絵を描くテーマやそこに現われる生き様のようなものも移り変わって来た。私などは同じひとりの人間とは思えぬほどの変幻自在な生き方を環境も含めて移り変わって来たものだが…ここにきてついに終焉を感じ始めたように思える。
改めて絵を描く気持ちに立ち返って、果たして私はどのような生き様をしてゆくのだろうか…。

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最近、岡本太郎の作品と生き方を再認識した。かつては多少の偏見もあってそれほど評価をしていなかったのだが、改めて彼の偉大さに気づかされた。もっと若い頃に気づいていれば私の絵に対する姿勢も変わっていたかも知れないと思った。それほど脳髄に届く程のショックでもあったが、遅ればせながら気づけて良かったとも思った。
作家も芸術家も生きた時代によって表われ方は異なり甲乙はつけがたいものだが、受け取る者の心の琴線に触れるものが素直に良いものなのだろう。そんな気がする。しかし私は評論家ではない。どんな絵や作品が良いものなのか語る必要もなく、ただ終活の行為として素直に絵を描ければ、それが本来の最良の一枚なのだ。

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