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人間力という概念~この先の時代に問われるもの [21世紀の種]

21世紀の幕が開いてまだ四分の一も過ぎていないが、コロナ禍の世界的な蔓延によって人間社会の根本的な見直しを問われる機会が現われたようだ。
これまでの人間の歴史から見て、100年単位で起こる社会的改革や革命とそれに付随する数々の戦争の流れから、今世紀も中頃の2050年くらいには “従来の常識をひっくり返す”大きな変動が来るものだと思っている。20世紀に起こった第一次・第二次世界大戦が世紀の中頃に終結してアメリカ・ソビエト主導の東西二陣営に分かれ、その後中国の台頭やイスラム国の存在によって世界の宗教を含む線引きに数々の変化が訪れた。頻繁なテロ活動によるボーダーレスで不安定な国際社会の始まりでもあった。
人間の歴史は進歩してきたように言われる事もあるが、それは価値観と視点変化という状況の変化に過ぎないとも考えられるのではないだろうか。決して人間だけがこの地球上で、もっと広く考えるならこの宇宙空間に於いて世界観を持って生きている生物ではない筈だ。私たちの知らない知的世界はもっと他にもあるに違いない。身近な猫や犬にさえも彼等独自の価値観や生き様の認識をしているに違いない。

そうやって考えてみると、人間は人間としての思考概念の世界で考えるしかないという結論が出る。そして本当に必要なものはと言えば人間社会に於いての生存力に限らず、宇宙世界に於いての存在力なのではと考えてしまう。いつの時代もそうだったのかも知れないが私たちが常に意識していなければならないのは人間として存在する力、つまり「人間力について」なのではないだろうか。しかしそんな命題よりもその時代によって幾多の時代的課題を突き付けられて人間世界は迷走してしまう。そうやって歴史はこれまで「宗教戦争」や「植民地戦争」というシェアの奪い合いに明け暮れて来た、進歩と発展の名のもとに。
しかし21世紀になって人間は果てしない繰り返しに飽き飽きして、コロナ禍をきっかけにまずは個人の価値観の転換を図ろうと思い始めたのかも知れない。そしてキーワードとして改めて「人間力」という概念を取り上げる。「人間力」を磨くことによってこれまでの社会通念に縛られた生き方とは別次元の逞しい人生を手にする事が出来る。

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「人間力」とは “知を越えた知であり、五感を越えた第六感を求める事”もそのひとつではないだろうかと私は考えている。人間は他の生きものたちと同じ生物でありながらどういうわけか「知恵」という特別な能力を背負っていて、この知恵というものが人間独自の幻想を世界に生み出している。
愛も平和も飢えも戦争も、そのすべてが幻想が生み出した代物のように思える。まさにジョン・レノン『Imagine』の歌詞の様だが、それを越えなければ人間である事の “蹉跌”を越えられないのだと思える。「人間力」とはそのための能力なのだろう。具体的な分かりやすい言葉に置き換えることが今の私には出来ないが、私的表現という事で云えば、合気道で気の世界に過ごした経験から “万物を飲み込みバランスを整える力”とでも云おうか…。

21世紀の内にはきっとより明確な「人間力」についての解答が得られるだろうと思う。何故なら世界は新しい生き方の指針を求め始めているからだ。これまで使い古されて来た知識や思考や能力・暴力とは別の、まだ開発されていない人間の価値観の可能性をきっと見つけることだろう。

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