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新しい事 Something new. [随想随筆]

比較的新しい事を考え続けて来た様に思っている。若い頃は様々な職種に手を出してきたが常に“何か新しい事”に心動かされて来た。訳もなく新しい事にこれまでに無い価値を感じていたのだが、これは自意識の一種だったのだろうと思う様になった。
月並みな事が嫌いで少しでも変わった事や新しい事にやりがいを見出すというのは、実は自己アピールをしたがっている事を意味している。自分の存在価値を他と違う事で示したいのだろう。思えば子どもの頃からそんなところがあった様だ。生まれつきのDNAかも知れない。

近頃は新しさを追い求める気持ちは少なくなった様に思う。“古い・新しい”という観念が変わったのかも知れない。歴史の長い時間で見れば、古いものは新しく生まれ変わり、新しいものはいずれ古くなるのであって、そこには時代の評価があるだけで本質的には何も変わりはしない。更に云えば、この世にあるものは“既に在る”のであって新しく生まれたものは何もないと言える様にも思う。全てが過去の焼き直しに過ぎないと言ってしまうのは乱暴だが、我々の生み出すものは何らかの形で過去を踏襲した部分が生きている。
だからと言って次々に生まれる“新しい創作物”に価値が無いと言っている訳ではない。時代の風を読みながら生み出される創作物には“今の時代に生まれた価値”というものがあると考えている。ただ必要以上に“オリジナリティー”を強調したりこだわる事には疑問を感じるという訳だ。

タイム_2019-10.jpg

時間の流れというものは例えば螺旋階段の様なものに思える。ある部分で切って見るとグルグル同じところを廻って輪廻する様にも見えるが、離れて俯瞰して見ると同じところのように見えて少しずつ変化して決して同じところには戻って来ない。進歩しているのか後退しているのかは分からないが決して同じところに戻らない。
そして更にそのトップにひねりを加えてボトムに繋ぐと螺旋状のメビウスの輪が出来上がる。これは単なる観念なのだが、私は時間というものをそんな感じで捉えている。そうやって長い歴史や時間の流れを捉えてみると、現在も過去も未来も全てがひとつになって古いとか新しいとかの観念が薄れてしまう。
いつの時代も“今がすべてであり永遠なのだ”という感じがする。

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